院長ブログ

2017年6月 夏の宴会; 西崎先生歓迎会

2017年6月18日 滋賀県 草津市 森歯科医院 院長 森光伸
 2017年6月3日(土)大津市の琵琶湖畔にあるヴルツブルグハウスにて夏の宴会と西崎先生の歓迎会をおこないました。Dr西崎の生活ぶりや大学での研究テーマのことなどをお聞きしながら、皆でおいしいドイツビールとフランケンワインとドイツ料理をいただき、楽しいひとときを過ごしました。
<Dr西崎は左列中央のネガネをかけた女性です>
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滋賀県草津市 歯医者/歯科 森歯科医院

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2017年; 下唇に生じた希少な充実性粘液嚢胞の1例

2017年5月30日 滋賀県 草津市 森歯科医院 院長 森光伸
 粘液嚢胞(mucocele, mucus cyst)は唾液を分泌する小唾液腺が詰まり、内部に唾液がたまって生じた口腔内の小さな嚢胞です。非常に脆弱な薄い嚢胞壁に囲まれ、内部には粘稠な唾液が貯留しています。手術時にはこの薄い嚢胞壁を破らずに摘出することが難点のひとつにもなります。発生部位は口唇(特に下唇)、頬粘膜、舌に多くみられますが、小唾液腺は口腔内の全ての粘膜に存在しますので、どの部位に生じてもおかしくはないはずです。しかし、圧倒的に下唇に多く発生するのは機械的刺激が影響しているのではないかと思われます。小児は歯の生え変わりなどで、歯と粘膜が刺激されることが多く頻発します。治療は、1) 自然緩解を待つか、2) 刺激源をみつけて除くか、3) できてしまった嚢胞をとり除くかのどれを選択するかは、その病態により変わってきます。
 今回は40歳代女性の希な症例を報告します。噛んだことがきっかけで下唇にデキモノができたとの主訴で、他医院で6か月程経過をみていたようですが、全く縮小することはなく、摘出目的で当院を受診されました。
 初診時、左側下唇粘膜下に直径8mm程度の比較的硬い腫瘤を触知しました。粘液嚢胞を疑いましたが、通常より硬く典型的ではないが、かといって良性腫瘍といえるほどの硬さではないような印象を受けました。穿刺してみましたが何も吸引できませんでした。
 後日、摘出手術時は粘液嚢胞特有の柔らかさは全くなく、比較的硬い腫瘤を摘出いたしました。摘出物の割面は充実性腫瘍のごとき半透明な白い内容物で充満しており、まるで葡萄の実の割面のようでした。
 病理診断はムチンが豊富な粘液嚢胞でした。
 ちなみにムチン(mucin)は動物の上皮細胞などから分泌される粘液(mucus)の主成分で、細胞の保護や潤滑物質の役割を担い、強い粘性と保水性を保つタンパク質です。オクラや里芋のネバネバもムチンといわれますが、植物由来のものは必ずしもムチンとは言い切れないとの学説もあります。動物の粘液にはすべてムチンが含まれており、粘膜表面を物理的な外的刺激から保護しております。
 今回の症例では、度重なる外的刺激に対し、局所的にムチンが多量に賛成された可能性があるかと感じました。
<術前写真>
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<術中写真>
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<摘出物割面写真>
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2017年; 長く放置された舌尖部の小腫瘍の1例

2017年4月30日 滋賀県 草津市 森歯科医院 院長 森光伸
 口腔内は日々、様々な刺激にさらされるためか良性、悪性をとわず多様な腫瘍が発生します。口腔腫瘍は内蔵腫瘍や体幹深部の腫瘍などと異なり、自分で直接見えるものがほどんどです。それにもかかわらずに放置され、致死的状況になる方もおられます。
 今回は特に視認されやすい舌の先端部にある良性腫瘍を長らく放置されていた症例を報告いたします。今回の症例は決して珍しいものではありませんが、患者様の心理状態を窺い知るよい機会となりました。
 
 初診時の主訴は舌のデキモノではなく、う蝕と歯周病治療を希望されての受診です。50歳代男性で舌尖部に潰瘍を伴う球状の腫瘍が存在します。十年ほど前から舌のデキモノは自覚はしており、時折痛むこともあったが、切るのが怖くて放置していたとのことです。良性腫瘍とおもわれますが、腫瘍中央に潰瘍あり、細胞の悪性化の可能性を完全否定はできないと説明し、やっと切除を決意されました。
 良性腫瘍(線維種)の臨床診断のもと局麻下で切除。病理診断は刺激性線維種の一種であるFibro-epithelial polypでした。
 術後はすぐに摂食障害や疼痛が改善され、快適な食生活ができるようになったと喜んでいただけました。我々には小さな腫瘍なのでなぜもっと早く切除しないのかと思ってしまいますが、本人にとっては様々な思いがあったんだろうと推測されます。
<術前写真>

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<術後写真>
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2016年12月宴会 ;DA小坂さん送別会

2016年12月29日 滋賀県 草津市 森歯科医院 院長 森光伸
 常勤歯科助手 小坂さんの退職に対し、感謝と壮行を兼ね12月17日(土)に草津市の本陣近くにて送別会をおこないました。
 小坂さんは2014年2月に入職いただいたスタッフで、約3年間在籍し、中堅スタッフとして新人(時にベテランスタッフ)を牽引してくれました。入職時から3人の同期生(幸賀、小坂、森)でよく輪になって話し込んでいたシーンが懐かしく想い出されます。
 大病院での医療事務の経験から、素晴らしい接遇力で受付を担当してくれました。医科知識があるので初診患者のTCでは医科歯科の総合的な医療知識で病歴を掘りおこしてくれました。院内随一の常識人であったと思います。また、診療補助ではスムーズな診療になるよう気をくばってくれ、素早い動きで高いアシスタント力を発揮してくれました。特にインプラント補綴の準備や口腔外科手術の補助は素晴らしい力量を発揮されたと思います。
 遠方からの通勤のため大変だったと思いますが、職務を全うしていただき、感謝しております。大変お世話になり、ありがとうございました。小坂さんの今後の活躍を楽しみにしております。
 宴会は「木波屋雑穀堂様」にてお部屋をお借りして、お酒とお料理をいただきながら、小坂さんを囲んでこれまでの想いと今後について楽しく語りあいました。
写真;「木波屋雑穀堂」様にて
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2016年(幕張)第61回日本口腔外科学会総会・学術大会の報告1

2016年12月2日 滋賀県 草津市 森歯科医院 院長 森光伸
 第61回日本口腔外科学会総会・学術大会が2016年11月25日(金)26日(土)27日(日)に幕張メッセ 国際会議場で開催され、26日(土)に参加しましたので概要の一部を報告いたします。
 2016年の学術大会は日本歯科大学 生命歯学部 口腔外科学講座 教授 又賀 泉先生が大会長として主催されました。その内容は従来からの先端医療から小手術まで広い範囲に及んでおりました。その中から特に印象に残った2題につき報告いたします。
 まずは、口腔三学会(日本口腔病理学会、日本歯科放射線学会、日本口腔外科学会)のシンポジウム「MRONJ, BRONJの基本な対応」です。薬剤性顎骨壊死であるMRONJ, BRONJは当初ビスフォスフォネート投与患者で観察された難治性骨髄炎でした。これらを病理学的診断、放射線学的診断、口腔外科的治療などの多面的な観点から討論されました。
 A) 日本口腔病理学会からは長崎大学 大学院 医歯薬総合研究科 口腔病理学分野 教授 池田通先生の講演がありました。
 『MRONJ, BRONJは病理組織学には骨髄炎の組織像を呈し、特異的な所見に乏しい。慢性顎骨骨髄炎と類似しており判別は困難である。MRONJ, BRONJの病理所見は1) 無腐性骨髄炎ではない。2)骨壊死の傾向が強い訳ではない 。3) 破骨細胞が普通にみられる。4) 破骨細胞の形態異常はみられない。ビスフォスフォネートは骨吸収抑制剤であるため、少なくとも長期的には破骨細胞の減少が認められると想定されたが、病理組織学的には必ずしもそうではなかった。また、抗RANKL抗体製剤(デノスマブ)では破骨細胞誘導が直接抑制されるため、破骨細胞の減少が顕著になると想定されたが採取顎骨ではそうではなかった。あえてMRONJ, BRONJに特徴的な所見をあげるとすれば、破骨細胞様の多角巨細胞の出現や、骨表面から離脱した破骨細胞の出現があげられる。しかし、この所見をもって確定診断とすることはできない。今後の研究による。』とのことであった。
 B) 日本歯科放射線学会からは日本大学 松戸歯学部 放射線学講座 教授 金田隆先生の講演がありました。
 『MRONJ, BRONJの画像所見は歯性感染による慢性顎骨骨髄炎とほぼ類似の所見を呈するため画像のみで鑑別診断するのは困難である。しかし、他の診断よりも初期の病態を把握することは可能であり、経過観察症例での骨髄の炎症残存の評価を行うにはMRIが有用である。MRIはT1強調画像で低信号を呈する慢性の骨髄信号低下。T2強調画像、脂肪抑制像、拡散強調像にて高信号。また、造影される骨髄の炎症による骨髄信号の異常がみられる。腐骨はT1強調画像、T2強調画像共に塊状の無信号て呈し、周囲軟組織に炎症波及による信号異常をともなうことがある。また、皮質骨の微細な吸収はCTが有用である。』とのことであった。
 C) 日本口腔外科学会からは東京歯科大学 口腔顎顔面外科学講座 教授 柴原孝彦先生の講演がありました。
 BRONJからはじまりDRONJ, MRONJ, ARONJの経緯と国際的な取り組み、国内の取り組みと発生頻度、医科と歯科の取り組みの相違点などの報告がありました。
 二番目に印象に残ったことは下顎埋伏智歯抜歯について、熟練した口腔外科医が口腔外科学会で議論しあっていることです。私が大学を卒業した頃は歯科医師なら誰でも埋伏智歯抜歯をおこなっていました。当時の下顎埋伏智歯は下顎神経と離れた位置に存在し、今ほどリスクは無かったような気がします。しかし、昨今の下顎埋伏智歯は下顎神経と何らかの接点をもつようになり、当時に比べリスクの高い手術となったような気がします。私の個人的な意見ではありますが、下顎埋伏智歯は訓練された口腔外科医が行うほうがよいのではないかと感じております。
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歯周外科の選択基準と術式 Part1; 2016年11月Monic club講演

                                              2016年11月11日 滋賀県 草津市 森歯科医院 院長 森光伸
 2016年11月10日にMonic Clubにて「歯周外科の選択基準と術式 Part1」を講演いたしました。
なぜ歯周外科が必要かを考え、SRPと歯周外科のアタッチメントレベルでの比較について文献的な報告をいたしました。小括すると、
1) アタッチメントロスに着目すれば、PPD値に関係なく、SRPが最もアタッチメントゲインの維持に効果的である。
2) PPD値の減少に着目すると、外科処置の有効性が高い。
これらを踏まえ、当院でどのように治療を選択していくかを皆で検討いたしました。
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2016年10月宴会 ; DH中野さんとDA片山、DA雲林院さんの歓迎会

2016年10月30日 滋賀県 草津市 森歯科医院 院長 森光伸
 10月29日(土)に草津市大路の国道1号線沿いにあるお店にて歓迎会をおこないました。パート歯科衛生士 中野さんとパート歯科助手 片山さんと雲林院さんの歓迎会をおこないました。
 宴会は「近江スエヒロ本店』様にてお部屋をお借りして、牛のしゃぶしゃぶ料理とお酒をいただきながら、交流して楽しく語りあいました。二次会は「イナホ食堂」様にて盛りあがりました。
写真;「スエヒロ草津店」様にて。 二次会「イナホ食堂」様にて。
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下顎智歯部に生じた大きな顎骨嚢胞(希少な類皮嚢胞)を通院下で手術治療した一例

2016年9月30日 滋賀県 草津市 森歯科医院 院長 森光伸
 当院は地方の名も無い小さな歯科医院ではありますが、様々な患者様が手術を希望されて来院されます。大きな手術を好まない患者様や多忙のため大病院へ受診できない方が来院し、治療を希望されることも多々あります。そのような時、私は「当院では手に負えないので大病院を御紹介いたします』とお断りするべきか、あるいは「了解いたしました」といって患者様と一緒に治療に参加するかの二者選択では、できる限り後者を選択するよう心がけております。しかし、時には即断できないこともあり、そのような時には師匠の顔が浮かびます。我々のできる限りの努力を積み重ねていきたいと思っております。
以下、御報告するのは約1年の経過をみた比較的稀な症例です。
 本例は左側下顎骨の下顎角から智歯部に生じた大きな顎骨嚢胞で、通院局所麻酔下で手術治療し、現在まで約1年経過良好であります。
 術前CTでは嚢胞と智歯が下顎管(三叉神経第三枝の下顎神経)を圧迫しており、嚢胞摘出は避け、開窓術を選択いたしました。しかし、智歯だけは抜歯せざるをえず、リスクをおいながら抜歯いたしました。術後、全く神経麻痺は生じませんでした。
 その顎骨嚢胞の病理組織学的診断は類皮嚢胞で口腔外科領域は比較的少ない嚢胞であり、しかも、下顎角に生じるのは稀であるといわれております。
 治療は一般的には入院全身麻酔下で手術されることが多い疾患で、再発などを考慮して切除範囲を広く設定する手術がおこなわれていた時代もあったようです。しかし、最近では時折遭遇する疾患として口腔外科学会でも例年発表されており、より侵襲の少ない治療法が選択されているように思われます。
 当院では埋伏智歯抜歯、嚢胞開窓術と内容物の摘出をおこない、術後に創腔保護目的でオプチュレーターを装着し、創腔の底部から創が順次縮小されるまで調整いたしました。経過は良好です。
<術前;口腔内写真>
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<術前;X線写真>
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<術中;口腔内>
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<術直後;X線写真>
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<術後3か月;口腔内写真>
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<術後1年;口腔内写真>
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<術後1年;X線写真>
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Part4; 抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン;2016年7月Monic club講演

2016726日 滋賀県 草津市 森歯科医院 院長 森光伸

2016年7月13日にMonic Clubにて講演した「血栓の基礎知識と抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドラインの報告 – 2015年版&2010年版の概要 – 」の概要を4部にわけて報告いたします。

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抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン

1. ワルファリン継続服用下の抜歯は可能か?(推奨グレード A );ワルファリン服用患者で原疾患が安定し、INR が治療域にコントロールされていれば、継続投与のまま抜歯を行っても重篤な出血性合併症は起こらない ( エビデンスレベル I ).




2.




2. 抜歯時ワルファリンを中断した際に合併症が起こるか?その対応はどうするか? (推奨グレードA);ワルファリンを抜歯時中断した場合に約 1%に重篤な血栓・塞栓症が発症。そのほとんどが死亡。(エビデンスレベルI)。血栓・塞栓症が発症した場合は血管内科、神経内科、循環器科、脳神経外科などによる緊急的な血栓溶解療法と共に血栓・塞栓症発症臓器の障害に対する治療が行われる(エビデンスレベルI)

3. ワルファリン継続下に抜歯可能なINRは? (推奨グレード B);欧米の論文; INR 4.0(または 3.5)までなら普通抜歯は可能( エビデンスレベル I )。日本人を対象とした研究の結果; INR 3.0以下であれば継続投与下に普通抜歯可能(エビデンスレベルIV a)。ただし, 埋伏歯や粘膜骨膜弁を形成し骨削除を行うような難抜歯に関してはエビデンスの高い論文が少ないので慎重に対応する

4. ワルファリン継続下に抜歯を行う場合のINR の測定タイミング? 推奨グレード B);

24 時間以内、少なくとも72 時間前の INR 値を参考に抜歯を行う( エビデンス レベル I )

5. ワルファリン継続下で行う抜歯の侵襲度?難抜歯、多数歯抜歯、埋伏智歯抜歯は可能か? 推奨グレード C1);原疾患の抗凝固療法が治療域にあれば通常抜歯(1 ~3歯の普通抜歯および少数の難抜歯)を行っても術後出血が発生することは少ない(エビデンスレベルIV a).。埋伏智歯の抜歯についても術中、術後出血の発生かは必ずしも高くはない。十分な局所止血処置を行うことが必要である (エビデンスレベルIV
a)。




6. ワルファリン服用患者の抜歯時に抗菌薬を使用しても術後出血は増加しないか? ( 推奨グレード C1);抜歯にあたり感染性心内膜炎予防のために抗菌薬を1 回のみ投与してもINR
値は変動せず術後出血は増加しない。ワルファ
リン投与量を変更する必要はない(エビデンスレベルI)。一定期間抗菌薬を投与する場合は INR 値は上昇し、術後出血の危険性が増加するので注意が必要 (エビデンスレベルIV b)。

7. ワルファリン服用患者の抜歯後に鎮痛薬として非ステロイド性抗炎症薬やCOX-2阻害薬を使用しても術後出血は増加しないか?    (推奨グレード C1);鎮痛薬 NSAIDs を使用;出血性合併症が増加(エビデンスレベルIV
b)。
アセトアミノフェン(2 4g/ )INR 値は上昇(エビデンスレベルIV
b)。
COX-2 阻害薬;NSAIDs と同程度に出血性合併症 増加(エビデンスレベルIV
b)。
抜歯後にNSAID s COX – 2 阻害剤は原則的に投与すべきではないが、投与に際しては慎重に行うことが必要。

8. 抗血小板療法の抜歯時のモニタリングに適する検査は?  (推奨グレード C1);抗血小板療法患者の抜歯時のモニタリングに適切な検査はない(エビデンスレベルIV
b)。
ワルファリン療法のモニタリングは INR が主流。

9. 抗血小板薬継続下で行う抜歯の侵襲度?難抜歯、多数歯抜歯、埋伏智歯抜歯は可能か? (推奨グレード
B);
医科主治医より原疾患が十分コントロールされていることが確認されれば、抗血小板薬継続下で普通抜歯、難抜歯は可能である(エビデンスレベルII)。可能な抜歯本数についての明確な報告はないが少数の抜歯で重篤な術中出血、術後出血は報告されていない(エビデ ンスレベルII)。 埋伏歯智歯の抜歯に関しても、適切な局所止血を行えば重篤な術中、術後の出血をきたすことはないとされている(エビデンスレベルIV
a).
しかしながら、埋伏智歯の抜歯は術後の腫脹,、皮下出血等の程度が高くなり注意が必要である(エビデンスレベルVI)。

10. 抗血小板薬を継続した場合外来で抜歯可能な症例の基準はあるのか?  (推奨グレード
B);
医科主治医により原疾患が十分コントロールされていれば外来で抗血小板薬継続下で1本の普通抜歯、難抜歯、多数歯抜歯は可能である (エビデンス レベルII)。埋伏智歯の抜歯も適切な局所止血を行えば外来で可能(エビデンスレベルIV
a )。
しかしながら埋伏智歯の抜歯や口腔内の複数のブロックに及ぶ多数歯抜歯の術後の出血リスク高く、また外科ストレスが大きく原疾患に関わる合併症を惹起することが懸念されるため、専門医療機関で行うことが望ましい(エビデンスレベルVI)。

11. 抗凝固薬継続下の抜歯の際に局所止血処置にて止血困難な出血時の対応はどうするか? (推奨グレード
C1);
<ワルファリン>  INR の測定。ワルファリン療法の減量や中止ビタミ Kの投与。新鮮凍結血漿、乾燥ヒト血液凝固因子第IX因子複合体製剤、遺伝子組み換え第VII因子製剤の投与
(
エビデンスレベルV)。<ヘパリン>ヘパリン減量や中止。硫酸プロタミンによる中和(エビデンスレベルV

12. 出血性合併症への対応;クラスI;1.出血性合併症に対する一般の救急処置2 .ワルファリン投与中の出血性合併症の重症度に応じたワルファリン減量または中止(重症度が中等度か重度)と必要に応じたビタミンK
投与3 .ヘパリン投与中の出血性合併症の重症度に応じたヘパリン減量や中止、および硫酸プロタミンによる中和。   クラスII a; 1 .早急にワルファリンの効果を是正する必要がある場合の新鮮凍結血漿や乾燥ヒト血液凝固第IX因子複合体製剤の投与. 是正効果は乾燥ヒト血液凝固第IX因子複合体製剤の方がはるかに優れている。2 .乾燥人血液凝固第IX因子複合体製剤によって是正された
PT-INR
の再上昇を避けるための乾燥ヒト血液凝固第IX因子複合体製剤とビタミK 併用投与。   クラスII b;1 早急にワルファリンの効果を是正する必要がある場合の遺伝子組み換え第VII因子製剤の投与

13. 大手術時の対応大手術の術前 3 ~ 5 日までのワルファリン中止と半減期の短いヘパリンによる術前の抗凝固療法への変更。ヘパリン(1.0~2.5万単位/日程度)を静注もしくは皮下注し、リスクの高い症例では活性化部分トロンボ時間(APTT)が正常対照値の1.5
~ 2.5
倍に延長するようにヘパリン投与量を調整する。術前 4 ~ 6 時間からヘパリンを中止するか、手術直前に硫酸プロタミンでヘパリンの効果を中和する。いずれの場合も手術直前にAPTT を確認して手術に臨む。術後は可及的速やかにヘパリンを再開する。病態が安定したらワルファリン療法を再開し、PT-INRが治療域に入ったらヘパリンを中止する。大手術の術前 7 ~ 14 日からのアスピリン、チクロピジンおよびクロピドグレルの中止、3日前からのシロスタゾール中止その間の血栓症や塞栓症のリスクが高い症例では脱水の回避、輸液、ヘパリンの投与などを考慮する。緊急手術時の出血性合併症時に準じた対処。 






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引用文献)
科学的根拠に基づく抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドライン;2010年、2015年;日本有病者歯科医療学会、日本口腔外科学会、日本老年歯科医学会

循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン;循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2008年合同研究班報告の2015年10月改新版);合同研究班;日本循環器学会、日本冠疾患学会、日本胸部外科学会、日本血栓止血学会、日本小児循環器学会、日本神経学会、日本心血管インターベンション学会、日本人工臓器学会、日本心臓血管外科学会、日本心臓病学会、日本脳卒中学会、日本脈管学会、日本臨床血液学会

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Part3; 一般的な抗血小板療法の概要;2016年7月Monic club講演

 2016724日 滋賀県 草津市 森歯科医院 院長 森光伸

2016年7月13日にMonic Clubにて講演した「血栓の基礎知識と抗血栓療法患者の抜歯に関するガイドラインの報告 – 2015年版&2010年版の概要 – 」の概要を4部にわけて報告いたします。

Part 3       IMG_3239.JPG

一般的な抗血小板薬について

抗血小板(薬)療法; 血管が閉塞されないように血栓形成を抑制する薬と療法 血小板凝集を阻害し、白色血栓を阻害する薬剤 動脈硬化巣での血栓形成を防止する。狭心症、心筋梗塞、脳梗塞など動脈で起こる血栓症に適応

<抗血小板薬の種類;薬理別分類>

1) トロンボキサンやプロスタグランジンに関与する薬剤;アスピリン、バファリン、バイアスピリン

 アスピリンは抗炎症薬として1899 年に市場に出てから100 年以上を経ている。50
年前には抗血栓作用も示唆され、現在では抗血小板薬の中ではアスピリンの費用対効果が最も安価で100 年以上の試練に耐えてきた薬剤て、アスピリン以外の抗血小板薬は常にアスピリンと比較してより高い有用性が求められるようになっているアスピリンはヘパリンとともに現在の冠動脈疾患の内科的薬物療法やインターベンション療法に必須の基本的な薬物 血小板の働きを活発化するために必要なトロンボキサンA2を作るシクロオキシゲナーゼ(酵素)の働きを抑えることによって、血小板同士の結合、血小板の働きを活発にする物質の放出を抑える。

・プロスタグランジン製剤;PGE1誘導体製剤;・リマプロストアルファテクス(オパルモン®、プロレナール®)脊柱管狭窄症で用いられることがある。PGE2誘導体製剤;・ベラプロスト(ドルナー®、プロサイリン®)が経口剤。 肺高血圧症にも適応 

2) cAMP濃度とカルシウムイオン濃度に関係する薬剤

1.チエノピリジン誘導体;塩酸チクロピジン(パナルジン®;
血小板減少症(TTP)や肝障害を注意深く観察していく必要がある。脳梗塞、くも膜下出血後の合併症予防に用いられることがある。クロピドグレル(プラビックス®; 副作用少ない。虚血性心疾患やアテローム血栓性脳塞栓でも用いられる。 クロピドグレル、チクロピジンは血小板同士の結合を促す物質(ADP)が血小板表面にある受容体へ結合するのを抑え、血小板の働きを抑制。プラスグレル(エフィエント®; クロピドグレルを上回る心血管イベント抑制効果

?      
2. PDE3阻害;・シロスタゾール(プレタール®;
心原性脳梗塞症の他、閉塞性動脈硬化症の疼痛改善効果も報告されている。ホスホジエステラーゼを阻害すると細胞内の環状アデノシン一リン酸濃度が上昇し、血小板が凝集しない。副作用として心拍数が増え、それを動悸と感じる場合がある。除脈の患者には有利に働く。

 3.  5−セロトニン受容体2拮抗剤;・塩酸サルポグレラート(アンプラーク®); 血小板に存在し、血栓ができるときに凝集を促進する、5-HT2受容体の拮抗剤。

3) 血小板凝集に関わる受容体グリコプロテイン  IIb/IIIaを遮断する薬

引用文献)循環器疾患における抗凝固・抗血小板療法に関するガイドライン;循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2008年合同研究班報告の2015年10月改新版);合同研究班;日本循環器学会、日本冠疾患学会、日本胸部外科学会、日本血栓止血学会、日本小児循環器学会、日本神経学会、日本心血管インターベンション学会、日本人工臓器学会、日本心臓血管外科学会、日本心臓病学会、日本脳卒中学会、日本脈管学会、日本臨床血液学会



                                      

滋賀県草津市 歯医者/歯科 森歯科医院

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