2013年9月29日 森歯科医院 院長 森光伸
粘液嚢胞;
口唇には小さな唾液腺がたくさんあります。その一部が何らかの刺激で傷つくと粘稠な唾液のような内溶液が溜まり風船のように膨らむことがあります。大きくなると食事に支障がでたり、しゃべりにくいという機能障害が生じることもあります。よく生じる部位は口唇ですが、口腔内には小唾液腺がたくさんあるのでどの部位にでも生じえる疾患です。
風船も自然に破裂するように、粘液嚢胞も自潰して内溶液がでて小さくなります。しかし、刺激が継続されれば嚢胞は再発を繰り返していきます。
保存的治療として刺激の原因が判別できればそれを取り除くことで軽快することもあります。たとえば、歯のとんがりを削ったり、噛み合わせをなおしたり、唇を噛むような異常な習癖を改善したりなど様々です。
一方、刺激源が特定できないケースや治療を急がなければならないケースなどでは外科的治療が選択され、メスでの切除やレーザーで焼くなどの方法が適用されます。局所麻酔で摘出できる比較的簡単な手術です。ただ、状況しだいでは再発する可能性は否定できません。
保存的治療よりは外科的治療が選択されるケースが多いように思われます。
症例1;術前
手術直後 手術1週後
手術3週後
症例2;術前
摘出した嚢胞と小唾液腺(筋層面) 摘出嚢胞(粘膜面)