2013年10月14日 森歯科医院 院長 森光伸
(続き)
ところで、講演で感銘した2演題を報告いたします。
1)大会長指名講演として日本口腔外科学会 前理事長 福田仁一先生の「これからの口腔医療を考える」が講演されました。講演は江戸時代からの口腔医療の歴史からはじまり、現在までの医科と歯科の免許制度の発足と改革、法律と政治的背景、学会長としてお会いする医科の先生方や官僚との交流、折衝など、非常に深みのある話を聞くことができました。
明治時代からの先人歯科医と学会の歴代会長や役員の先生方と諸先輩方の情熱が、今を生きる我々歯科医に法的に安定した一定の仕事を与えていただいていることを改めて感じております。
また、医師にあって歯科医にないものを指摘され、医学を熟知した歯科医の育成と大学の教育カリキュラムの仕様に言及されておられました。非常に遠大な話であり、医道の本質をつく大事な話であります。ただ、これは医科と歯科の狭間にある口腔外科医にはすぐ賛同される話ではありますが、他の歯科学会からは賛同されにくい話ではあると感じました。口腔外科が歯科界をリードできれば、時間をかけて融合していくことかもしれません。
賢者は歴史から学ぶと言われますが、先生のお話はまさにそのとおりでした。過去を知り、現在を存分に生き、未来を見据えることが本当に大切であるとあらためて感じました。