歯周病は、歯ぐきに細菌が入り込むことで起こります。歯ぐきが細菌感染し、その細菌は歯ぐき内の血管から全身に運ばれてしまうのです。これが、様々な病気だけでなく、認知症の原因にもなる病気にもつながると考えられてきました。
あくまでも、認知症の原因となりやすいアルツハイマー病に限られた話でありますが、この理論的な背景が解明されたというニュースが入ってきました。以下、朝日新聞の記事(2018年1月5日)より、一部引用します。
歯周病が認知症の症状を悪化させる仕組みを、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)、名古屋市立大学などの研究グループが解明した。歯周病菌の毒素がアルツハイマー病の原因とされる脳の「ゴミ」を増やし、認知症の症状が悪化するという。
研究成果が、英専門誌の電子版に掲載された。認知症の6割を占めるとされるアルツハイマー病は、脳の神経細胞の中にアミロイドβというたんぱく質の「ゴミ」がたまり、神経細胞が徐々に死滅することが原因と考えられている。
研究グループは、アルツハイマー病を発症するマウスに歯周病菌を感染させて、歯周病ではないアルツハイマー病のマウスの脳と比較した。5週間後、歯周病のマウスでは記憶をつかさどる海馬でアミロイドβの量が約1・4倍に増えていた。さらに、記憶学習能力を調べる実験でも、歯周病のマウスでは認知機能が低下していたという。(後略)
現在では歯周病は、予防でき治療も可能な病気。 大切なのは予防、診断、早期治療、そしてメンテナンス。