2012.10.10 森歯科医院 院長 森 光伸
交通外傷後に骨形成手術とインプラントを併用して咬合構築をおこなった症例
二次救急治療後の咬合構築;オールセラミッククラウンとインプラント治療
A; 初診 2009年10月初旬 他府県からの紹介来院
当院初診時の自覚症状;
開口障害, 摂食障害と疼痛, 咬合不全, 歯の欠損と破折と動揺
当院初診時の他覚的所見;
<上顎>
上顎前歯の著明な動揺2度ないし3度(救急病院で口腔外脱落歯の再植),
右上中切歯脱落欠損歯,陳旧性歯槽骨骨折,
腐骨化した口蓋骨の露出, 歯髄炎
<下顎>
前歯の破折, 動揺,前歯ブロック状舌側転位と挺出,
歯根破折, 歯髄炎
B; Temporally Crown 2009年10月下旬
*口蓋観は鏡面撮影のため左右が反転しています。
初診2週後に開口障害と疼痛軽快したので直接法でレジン材の仮歯作成。右側中切歯は欠損。口蓋は膨隆し、骨露出認める。後日に形成手術施行。
C;Model Surgery & Wax Up 2009年11月
咬合模型上で理想的な歯列を作成。上顎右側中切歯の骨欠損は大きい。
このままでは歯冠長が長くなるので何らかの工夫が必要。
D; Primary Implantation of Fixture 2010年2月
骨形成後にインプラント体を埋入し一旦粘膜下に閉鎖した。
(当院の通法のインプラント手術は1回法です。)
E; Secondary Operation 2010年5月
F;Provisional Restration 2010年9月
Hybrid Crown
セラミックとレジンの混合材料であるハイブリッド材で仮歯作成。中切歯の長さがほぼ左右対称にできた。この状態で約1年6か月経過観察。この間の経過で再植された歯は骨性癒着し、個々の歯の動揺は消失した。ただ、10年後20年後には再植された歯は根吸収し、将来的には抜歯が必要となることが見込まれる。
G; Final Restration 2012年3月
All Ceramic Crown
*口蓋観は鏡面撮影のため左右が反転しています
ジルコニア・オールセラミッククラウンにて最終補綴。