自分にあった歯磨き粉とは

                                                                       2015. 5.31    歯科衛生士 船田

今年の5月はとても暑い日が続きましたが、皆さん突然の暑さにはやくも夏バテなどしていませんか?

今回は歯磨き粉のお話をしたいと思います。

ところでみなさんは歯磨き粉を買うときに何を基準に選びますか?最近はCMで歯磨き粉の宣伝をよくみかけるようになりましたね。フッ素で虫歯予防、輝く白い歯に!歯周病を予防する、口臭、粘つきがなくなる!なんて、聞いたことありますね。

歯磨き粉、ここでは”歯磨剤”と言わせていただきます。

歯磨剤にはさまざまな種類、味、薬用効果をうたっている商品が存在し、商品が多すぎていったい自分にはどれが一番合っているのか、本当に自分にあった歯磨剤とちゃんと出会えているのか正直わからないですね。

 

まず今皆さんがお使いの歯磨剤を手に取り商品の裏をご覧になってください。

 

まず歯磨剤は主に化粧品、医薬部外品と2種類に分類され、それぞれの効能の範囲が異なります。

化粧品に分類される歯磨剤は主に物理的作用が主体で薬用成分は記載されておらず、あくまで清掃剤(研磨剤)などの成分が中心となります。

eg;研磨剤、発泡剤、香味剤)

医薬部外品に分類される歯磨剤は薬用成分による薬理学的作用により予防、症状改善に期待できる効能があります。成分表にも薬用成分が記載されています。

eg;血行促進剤、殺菌剤、消炎剤、歯垢分解剤)

 

虫歯や歯周病の予防を積極的にしていきたい方ならば薬用成分の歯磨剤を使用する方が改善に期待ができると思います。

また、形状もさまざまです。ジェル状、ペースト状のもの。市販で売られているほとんどはペースト状のものが多いですがジェル状の歯磨剤はペースト状の歯磨剤と何がちがうのでしょうか。

ジェル状の歯磨剤には研磨剤が入っていない無研磨の歯磨剤です。無研磨のものを長期間使っていると歯の表面に着色が少しつきやすくなる欠点がありますが、ブラッシング時に泡がたたないので、泡にじゃまされずに丁寧にブラッシングをすることができます。また、ジェルタイプのものは歯の表面に長時間停滞しやすい利点があるため、フッ素が入った歯磨剤がほとんどで、ブラッシング後のフッ素の効果がより期待できるのです。

 

また知覚過敏にお悩みの方には硝酸カリウムという神経鈍麻剤が含まれる歯磨剤をおすすめします。硝酸カリウムは歯髄に伝わる神経の伝達をブロックする効果があるため、知覚過敏でしみる歯に効果が期待できます。ただ、この成分は一度使ったら表面をコートしてくれるものではなく、成分が少しずつ蓄積されるため最低1か月長期継続使用することで徐々に効果が現れるため、すぐに効果を期待せず長期間の効果を期待し使用を続けることがポイントとなります。

 

また歯磨剤をより効果的に使用するのであれば、ぜひ2回磨きをおすすめします。

特に薬用成分の歯磨剤はより薬用効果を発揮させることが重要です。そのためにまずは歯の表面についた汚れ(プラーク)をしっかりと歯ブラシのみで磨いて落としましょう。歯の表面についたプラークは薬用効果を下げ、薬がしっかりと浸透しにくいので効果がうすれてしまいます。歯磨剤は歯の汚れを落とす成分は残念ながら入っておりません。プラークは歯ブラシの毛と歯面が触れた時はじめて落とされるのです。きれいになった歯に薬用成分の含まれる歯磨剤を使用しダイレクトに効果を発揮させることが何より効果的な使用方法となるのです。

 

みなさま、歯磨剤を選ぶとき、使用するとき、何気に見ていた成分表などを見て自分に本当にあった歯磨剤なのか、一度確認してみるとよいですよ!

滋賀県草津市 歯医者/歯科 森歯科医院

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