Monic Club 《5月》

                    2015.5.16   歯科衛生士 船田
今月のMonic Club のテーマは、DA幸賀さんによる”医療保険と受付対応”についてでした。普段病院に行く時に何気に受付にだしている保険証。しかし、医療を受ける上でも保険証というのは最も大切なものなのです。今回は医療機関を受けるうえで必要不可欠な医療保険の仕組みについてわかりやすく説明していただきました。
医療保険制度とは、国民が保険者に医療保険料を支払うことで加入することができます。その後保険証が交付され、保険に加入した国民はその保険証を医療機関窓口に提示することで医療行為を受ける事でき、さらに保険者がその医療費の一部を負担してくれます。つまり医療を受けた国民は100%の医療費を払う必要はなく負担額のみの支払いとなります。この流れはそれぞれの医療機関窓口で行われることですので、実際の医療費にかかった負担分は各医療機関が改めて保険者に医療費負担分の請求を行い保険者はその額を医療機関へと支払うのです。
日本での医療保険制度の特徴として、日本国民である者は必ず一つ公的医療保険制度に加入する事が決められています。(生活保護受給者については生活保護の一環として医療が行われます。)ただし、その保険に加入するかは原則として職業で決まります。
では実際保険に加入すると医療費の負担額はどうなるのでしょうか。
基本的に出生から小学校入学までは2割負担、小学校から69歳までは3割負担、70歳からは2割負担、75歳からは1割負担と、年齢によって負担額はかわります。
次に保険の種類について。
保険は国民保険と社会保険の二つに分類されます。それぞれの保険にもさらに細かく分類されています。
まずは社会保険’について。社会保険には大きく分けると4種類。
?組合保険・・・従業員が700以上いる大企業が単独で、または同業企業と共同で設立して加入(例;◯◯健康保険組合) ?協会けんぽ・・・健康保険組合をもたない企業が加入。運営は全国健康保険協会(例;◯◯会社 全国健康保険協会)
?共済組合・・・国家公務員 地方公務員、一部の独立行政法人職員、私立学校教職員が加入
?船員保険・・・船舶の船員が加入
社会保険の特徴としては、扶養家族として認められればその健康保険に加入することができ、保険証が発行されます。扶養家族が何人いても基本的に支払う保険料は社会保険に加入している本人、つまり一人分でよいのです。
しかし、扶養家族と認められるのは、原則として被保険者本人に生活の面倒をみてもらっている親族です。条件としてその家族の年収が被保険者の年収の半分未満であることや、その家族の収入が年間130万未満であることなどがあげられますので、誰でもすぐ扶養家族として認められるわけではないのです。また毎年”被扶養者調査”があり、加入時より収入が増え130万を超えていないか、加入時に無職だった人が職に就いていないか、18歳になった子供が就職していないかなど、加入した当時は扶養家族としての条件を満たしていたけれど、状況がかわり条件を満たしていないにもかかわらず、不正な条件で保険を利用していないかを調べます。もちろん、認定基準をクリアできなければ保険証は返却しなくてはいけません。
つづいて、、国民保険について。
国民保険は大きくわけると2種類。
?国民健康保険・・・自営業、自営業の従業員、無職の人が加入(市町村単位で運営)
?国民健康保険組合・・・自営業で同業者どうしが連合して国民健康保険組合を設立し、従業員とその家族が加入。(都道府県単位で設立)例えは、医師、歯科医師、美容師、弁護士、、など。
国民保険の特徴としては、社会保険とはちがい”扶養するもの、されるもの”といった概念はなく赤ちゃんであっても被保険者であり、被扶養者ではないのです。また同一世帯の国民保険加入者の数によってその保険料が変わり、その保険料を支払うのは義務として世帯主であるということです。
このようにして日本国民は保険に加入することで安心して医療を受ける事ができるようなシステムとなっているのです。
しかし、安心して医療を受けることができるシステムであっても医療費を負担することに変わりはないのです。よって医療機関で発生する医療費負担をより軽減させることを目的としてで作られた制度があります。
・福祉医療費助成制度・・・国および地方公共団体が実施している福祉制度
その内容としてはさまざまで
・乳幼児医療費助成制度
・ひとり親家庭等医療費助成制度
・65歳以上75歳未満の低所得者医療費助成制度
・重度心身障害者医療費助成制度
・こどもの医療助成(都道府県、市町村により条件や内容は大きく変わります)
対象となる条件や助成内容は地方自治体によって異なりますが、この制度により医療費の負担をさらに軽減させることができるのです。
最後に生活保護を受けておられる方が医療機関を利用する場合について。
生活保護を受けておられる場合は、生活保護法指定医療機関として厚生労働大臣等から認定された医療機関にて医療機関を利用することができるため、保険証ではなく医療券が発行されます。歯科医療を受ける場合であっても、認定された医院であれば医療を受ける事ができます、認定を受けているかそうでないかは窓口または電話での確認が必要となります。滋賀県草津市では現在36件の歯科医院が認定されております。
このような制度のおかげで私たち国民は健康で安心した生活を送る事ができるのですね。何気にだしていた保険証でしたが、これからは医療を受ける事のできる大切な証明書であるという意味を理解し利用していきたいです。

滋賀県草津市 歯医者/歯科 森歯科医院

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